冒頭から泣かずには見れない映画だった。死んでしまった愛犬ラッキー(※愛犬ラッキ-、永遠に参照)と全てのシーンが重なり身体中が熱くなった。
ハートオブビーストはどう訳したらいいのだろう。獣の心?全然ピンとこない、、
アラスカの大自然とただひとり生き残った退役軍人、そして軍用犬。そこには余分なモノは一切ない。自然も人も犬も猛獣もあるようにしてあった。全てが”自然”だった。雄大で美しいが、臨界点に達するとこれ以上なく過酷で残酷な自然。肉体と精神の極限を共に知っている兵士と犬。その三者が織りなす愛と絆の物語だ。
全編を通して”尊厳”という通奏低音が流れていた。自然への畏怖と命の尊厳。生死の境目での生への執着は場合によっては命の価値を貶めるが、そこに利他の心があればそれは一転して愛や絆として昇華する。そして極上の尊厳が生まれる。
ジェームズとオーディンの二人は極限をともに切り抜けた戦友で同志で相棒だからこそ生死の境目で自分の事より相手を想う。相手のための自分であり、命なのだ。相手を生かすことが自分を生かすことにもなる。そこには選択はない。必然の自然だ。
愛も絆も日常ではほぼ体験できない”あってないような”モノだ。ましてや尊厳という言葉は今の日本では死語になってしまった。それらしきこともたまにはあるが、そこはぼんやりとしていてベールに包まれてほんのりイイ香りが漂うが、その香りは少し風が吹きつけるだけであっという間に雲散霧消する。
ラストシーンでジェームズが託した未来への手紙を携えオーディンが疾走する姿は強弓から放たれる矢のように早く、力強く、友情と希望に満ちていた。
ジェームズがオーロラとなり、命を懸けた手紙が良い縁を引き寄せて、きっとオーディンのこれからの人生もやっぱりオーロラのように輝いていると確信が持てて、オレは大満足だった。






